1.胸部単純写真は全身をうつす鏡である.胸部写真1枚で,患者さんの体格・骨格,栄養状態,呼吸・循環器疾患および状態などがわかる.
2.入院時に胸部写真を撮影するのは,全身状態,呼吸器,循環器系のチェックの意味もあるが,院内感染の原因となる症状のない肺結核などの
感染症を見落とさないためでもある.
3.症状のない40才以下の患者さんの撮影は正面写真だけで十分である.
正面写真で異常があれば,側面写真を追加する.医師たるもの,無駄な被曝は少しでも少なくすることを忘れてはいけない.
4.後前撮影(X線を背中から腹側に透過させ撮影すること)をするのは肩甲骨が肺野に重ならならないようにするためである.さらに心臓の拡大をお
さえ,肺野を広く見るためである.胸部写真はもともと肺野を観察するための写真である.ポータブル撮影などの前後撮影では,肩甲骨が肺野に重
なり,心臓は拡大されていることで区別する.
5.撮影条件で写真の見え方は大きく変わる.電圧,吸気,体位などの条件により大きく変化する.低い電圧で撮影された写真は,骨,肺の血管影が目立つ,
心臓の後ろが透けて見えない.電圧が高くなるほど,肋骨が透けてみえてくる.肋骨に重なる病変(とくに肺癌)の発見によい.
6.多くの施設では,120KVp以上の電圧で撮影している.これは,縦隔や肋骨に重なる陰影,特に肺癌を見落とさないことが目的である.肋骨の写
真は普通6080KVpで撮影する.低電圧の写真では肺野の血管影も目立つ.淡い肺炎像や間質性陰影も明瞭になるが,病的かどうかの判
断も難しくなる.軟部影を識別する乳腺撮影電圧は30KVp以下である.
7.「いい写真とはどんな写真か」を知っておかねばならない.施設により,フィルムや,撮影条件が異なるため写真の質が異なる.それぞれの施設のい
い写真というのは同じではない.基本的には,体位,写真濃度が適切な写真をいう.濃度は心臓の後ろ
の肺野,脊椎が透けて見える.気管分岐部がみえる.腹部の椎体が見えるか見えない程度(腹部の脊椎がはっきり見えるのは見えすぎである.肺
野が黒すぎる)と言われていた.しかし,最近はCR(ComputedRadiography)写真のため,画像処理により心臓の背面だけでなく,腹部までちゃんと見えるのに、肺野も黒くな
く適切な濃度の写真になっている.バカチョン写真のため,濃度的にはみんないい写真になってしまった.
放射線技師の撮影の腕は体位の正確性でしか判断できなくなってしまった.
8.側面写真の基本は左側面撮影である.これは心臓の拡大をおさえ肺野を広く見るためである.
9.病変が右肺にあるときには右側面写真を撮ったほうが病変が明瞭に見える(病変がフィルムに近く,拡大されない)というのは、これはもう昔の常識
の話であり、今は側面写真は常に左側面とするのが世界標準だと指摘されました。経過観察での比較が重要だと藤岡睦久先生から教わりました。
10.左横隔膜は右より低い.従って右側面写真では横隔膜は平行に見える.上方が右,下方が左の横隔膜である.
11.側面写真で横隔膜が交叉しているのは左側面写真である.どちらが右か左かを決めるのは,胃泡の上にあるのが左,前側が心臓によるシルエット
サインで消えているのが左である.
12.側面写真で脊椎の後方に投影された肋骨をみると,太さが違う.太い方がフィルムより離れた側である.(bigribsignという)
13.側面写真で,肺門部の下に肺静脈が楕円形の腫瘤様に見えることがある.加齢に伴う脊椎の変性(変形性脊椎症)による椎体の骨棘も丸い結
節に見えることがある.
14.ロート胸など胸郭の変形が写真上ではどう写るか知っておかねばならない.前胸壁,背部のいぼ,あるいは乳頭が腫瘤として写ることもある.大きな乳
房では肺野が白くなる.乳房切除術の施行された側の肺野は黒くなる(透過性が亢進している).
15.老人では動脈硬化により右腕頭動脈が屈曲蛇行し,上縦隔右側に腫瘤様にみえることがある.
16.第1肋骨の肋軟骨の仮骨がcoinlesionのように見えることがある.
17.横隔膜の変化には,横隔膜の筋束によるscalloping,tentingや機能障害によるeventration(横隔膜弛緩症)がある.原因がわからないことが多い.
18.肥満者ではcardiophrenicangleに脂肪が沈着しこの部分の心臓のシルエットがなくなることがある.
19.肺尖部の胸膜肥厚を思わせる変化がすべて、陳旧性炎症による胸膜の肥厚ではない。apicalcapとか肋骨の随伴陰影とかいわれる正常変異
もある。肥満者では厚いことが多い。
20.胸部単純写真は撮影して眺めるだけでない.所見を拾い,解析し,診断名を推理しなければならない.
21.最初は順序よく読影する事を習慣づける.肺野を見た目では瞳孔が明順応するまで縦隔は十分見えない.縦隔は内部を観察するつもりで見ないと見えない.
22.胸部単純写真で異常を発見するには,下記の3つの方法がある.1_よく見える異常陰影を見つける。
2_見えにくい異常陰影は,シルエットサインを使い間接的に発見する。3_特殊な所見から疾患あるいは病態を診断する。(Kerley線,葉間の
肥厚,横隔膜下胸水,A,B3bの太さあるいはperibronchial cuffing,背臥位写真での気胸のDeepsulcussignなど)
23.異常所見から疾患名を診断するには,パターン診断でただちに診断できるものと鑑別診断をあげざるをえないものがある.
24.正しい診断をおこなうためには,病名を知っていなければならない.知らなければ診断はできない.
学生時代は内科や外科で病気を習い,その胸部写真所見を学ぶ.放射線科で典型的な胸部写真、所見をみせてもらい代表的な疾患を学ぶ.
卒業してからは,自分で所見を発見し,次に病名をあげねばならない.だから胸部写真読影は難しい.そのためにも常識程度は知っておかねばならない.
25.正しい診断をおこなうためには,用語を正しく使う必要がある.
26.肺気腫と過膨脹は違う.肺気腫は肺胞の破壊を伴うものである.過膨脹は破壊がない.単に肺がふくらんでいるだけで「気腫性,
emphysematous」という言葉は混乱を招きやすいのでなるべく使わないほうがよい.「過膨脹」hyperinflation,overinflationという言葉のほ
うが分かり易い.喘息の発作時やCOPDでは過膨脹はあるが、肺気腫ではない。
27.無気肺とは容積の減少をいう.一般的に単純写真で濃い陰影を示すものをいう.単に容積の減少している場合にはvolumeloss(容積減少)と
言ったほうが混乱がない.無気肺に炎症が合併しているかどうかの鑑別は,胸部写真からだけではできない.症状や白血球増多、CRPの変化などで
臨床的に判定するしかない.
28.無気肺には気管支の閉塞による閉塞性無気肺と,外からの圧迫や,伸展不良,換気不全による非閉塞性無気肺(拡張不全といったほうがわ
かりやすい)がある.
29.無気肺はatelectasisであり容積減少で陰影のあるもの,collapseは含気が完全になくなり容積が非常に小さくなった完全虚脱の場合に使う
のがわかりやすい.
30.肺線維症と線維化病変は違う.線維化病変とは炎症後瘢痕(fibroticscar)をいう.無気肺も長期間になると線維化,瘢痕化し
てしまう.可逆性の陰影の場合に無気肺という言葉を使うべきである.
31.「costophrenicangleがdullである」といった場合,胸水があるのか,古い癒着だけなのか区別しなければならない.肋骨と胸膜の間に間
隙があるものは胸水貯留を疑う.経時的に形が変われば癒着でなく胸水であることが確実である.
32.胸水の有無はCPangleばかりでなく,横隔膜下部の肺野部分を観察しなければならない.胸水がないときは,肺野の深いところまで観察できる.
33.少量の胸水は側面写真のposteriorcostophrenicangleの観察が必要である.
34.肺下胸水という珍しい非定型的な胸水貯留がある.横隔膜挙上があるだけで,正面写真ではCPangleはsharpである.正面写真だけでは診
断できない.診断には胸水の疑われる側を下にしたデクビタス撮影が有用である.
35.気胸の診断には呼気撮影が有用である.それでもわかりにくいときは,気胸の疑われる側を上にしての呼気でのデクビタス撮影がよい.気管挿管
前のチェック(気胸があるのに挿管すると緊張性気胸を生じるので危険である)で気胸が疑わしい場合はCTのほうが確実である.
36.背臥位写真での気胸の診断は非常にむつかしい.costophrenic angleが深くみえるのをdeepsulcussignという.そのほか,心臓辺縁
の透過性亢進などに注意する.疑った場合にはデクビタス撮影,あるいはCTを撮影する.
37.間質性パターン,肺胞性パターンと陰影性状の表現法がある。間質性病変や、肺胞性疾患でよく見られるパターンということである。間質性疾
患でも肺胞性パターンを示すものはある。肺胞性と間質性が混在していることはよくあることである。
38.肺胞性パターンは,浸潤様陰影,air-bronchogram,butterfly shadowが典型的である.
39.肺胞性パターンを示す疾患は変化が速い。肺炎や肺水腫がそうである。
40.肺胞性パターンで病変の変化の遅いものに肺胞上皮癌、悪性リンパ腫、肺胞蛋白症などがある。
41.Butterflyshadowを来たすものには肺水腫以外に肺出血、ニューモシスティス・カリニー肺炎、ARDSなどがある。
42.Butterflyshadowの原因には1心原性(静水圧の上昇)、2腎性(循環血液量の増加、膠質浸透圧の低下)、3透過亢進型(肺胞基底
膜の透過性亢進、ARDS)がある。
43.間質性パターンとは,すりガラス陰影、粒状影,線状影,網状影などである.
44.肺間質には3種類ある.すなわち肺胞隔壁,末梢性肺間質(臓側胸膜と小葉間隔壁),中心性肺間質(太い血管気管支周囲間質)である.
カンファレンスなどで,肺胞隔壁が狭義間質,後2者が広義間質とよばれることが多い.著者も以前は使っていました.しかし,「病変は,狭義間質にはほ
とんどなく,主に広義間質に認める」という記述は明らかに国語的に誤りです.
広義間質に狭義間質が含まれるのは常識です.狭義間質に異常のない広義間質病変というのはありえません.
臨床放射線2004年第1巻1号225ページに多田信平先生が,macroとmicro,majorとminor,粗大と微小などの用語を用いるべきだと提唱さ
れていました.いまだに広義・狭義間質を使用されている方は是非,当記事をご一読下さい.
そこで本項では,肺胞隔壁を「微小」間質,末梢性間質と中心性間質の両者を「粗大」間質として呼ぶことにしました.本当は,肺胞隔壁,末梢性肺間
質,中心性肺間質と呼ぶのがもっとも間違いない呼び方と思います.2007年の放射線医学会総会では、粗大間質周囲という意味で、
perilymphaticという言葉が使われている演題を聞きました。
45.微小間質(肺胞隔壁)の病変がいわゆる間質性肺炎である.陰影の変化は遅い.
46.微小間質病変はすりガラス陰影,粒状影,輪状影,蜂窩肺を示す.
47.粗大間質(末梢および中心性肺間質)の病変には、うっ血性心不全による間質性肺水腫,癌性リンパ管症,急性好酸球性肺炎、異型肺炎
などがある.変化がはやい.
48.粗大間質病変には,葉間胸膜の肥厚,Kerley線,peribronchial cuffing,hilarhazeなどがある.
49.胸部単純写真でのすりガラス陰影とは微細粒状影を示し,過敏性肺臓炎に特徴的である.胸部単純写真ではすりガラス陰影があると末梢の血
管影が見えにくくなる.これに対し,CTのすりガラス様濃度上昇ground glassopacity(GGO)の定義は「血管影が透けて見える濃度上昇」で
あり,単純写真所見の定義とは異なる.
50.肺気腫患者の肺炎像は,網状影など間質性パターンを示す.炎症性変化をきたす正常肺組織部分が少ないためである.
51.1枚の写真だけから,肺炎の活動性については判定することは難しい.臨床所見との対比,あるいは写真の経過比較が重要である.以前に無か
ったものが出現したり,経過で陰影が消えたるすると,胸部写真から肺炎の診断が可能である.
52.実際の臨床では、肺水腫か肺炎か診断に難渋することはよくある。肺炎により肺うっ血のが進行し肺水腫になったり、肺水腫には容易に感染を
合併する。臨床所見や検査データで判断するしかないことが多い。
53.写真の比較は,少し前のフィルムとだけ比較すると変化に気が付かないことがある.少し前とずっと以前のフィルムと3枚で比較すると変化がよくわかる.
54.肺結核はどんな陰影でも引き起こす.腫瘤,多発腫瘤影,肺胞性,間質性陰影,胸水等様々である.ガフキー検査,培養等で初めて結核と
確定診断が可能である.確定診断までは,いつも「結核疑い」「結核も否定できません」である.非結核性抗酸菌症が結核とよく似た画像所見を呈する.
55.非結核性抗酸菌症は、80%がアビウム菌(Mycobacteriumavium complex)、10%がカンサシー菌(M.kansasii)である。アビウム菌は
中葉、舌区に慢性炎症変化がみられ、カンサシー菌は肺尖部に空洞を来たし、結核との鑑別が難しい。
56.低酸素血症があるにもかかわらず肺野に全く異常のない時がある.間質性疾患の超初期は低酸素血症で発見されることがある.
57.間質性変化の初期像であるすりガラス陰影があると、単純写真では末梢の血管構造が見えにくくなる。
58.び漫性陰影の経過観察では、全体像の見える単純写真のほうがCTより比較しやすい.
59.うっ血性心不全の胸部単純写真所見には重症度分類がある.軽症から重症に並べると,
1_静脈うっ血(静脈高血圧)(venouscongestion,venous hypertension),2_間質性肺水腫(interstitiallungedema),3_肺胞性肺水腫(alveolaredema)、である.
60.肺うっ血の初期である静脈うっ血のときは、上肺野の静脈が太くなる(肺血流の再分布)といわれる所見があるが、判定は非常に難しい。経過の
写真を比べて理解できる。何例か経験をつむしかない。
61.KerleyA線は急性心不全(48時間以内)による肺うっ血でみられるが,一過性にしか観察されないことが多い.臨床的に非常に重要な所見である.
62.KerleyB線は急性心不全だけでなく,慢性心不全でも見られ,うっ血の活動性の指標にはならない.
63.心不全の非代償性を示すものは胸水貯留である.心不全の診断で胸水の有無は非常に重要である。
64.KerleyC線は下肺野にみられる網状変化である。血管影の増強や粗大間質の変化の重なりで見えるものである。
65.肺胞性肺水腫を示すもので,心拡大のないものは非心原性肺水腫(透過性肺水腫)とよばれARDS,神経原性肺水腫,尿毒症肺などが含まれる.
66.胸部単純写真で「石灰化」(一般的に陳旧性変化,古い結核性肉芽腫であり,まず確実に良性と言える所見である)の判定は読影技術(わ
ざ)のひとつである.陰影濃度からCT値を判定する能力である.明らかな石灰化と腫瘤かを区別することは胸部写真読影の常識である.この区
別もできないで胸部写真を一人で読影してはならない.明らかな石灰化を腫瘤だといって,すべてCTをとって確認するのは常識はずれである.
67.両側中肺野での対称性の胸膜肥厚,石灰化を見たときにはアスベストの職歴を聞く必要がある.
68.胸膜肥厚,あるいは胸膜石灰化の診断は難しいが可能である.しかし,これらに腫瘤が合併しているかどうかの判定は難しい.CTで肺野の変化を
観察しなければならない.
69.左肺門は右より高い.右の方が高いときには,右上葉の容積が少なくなっている.無気肺,volumelossを疑う.
70.肺門腫大の診断は難しい.血管影,とくに肺動脈の輪郭を観察する事が大切である.
71.右肺動脈下幹は正常では15mm以下である.これをこえるものは肺高血圧症である.腫瘍の合併の有無に注意する.腫瘍による肺門腫大と間違ってはいけない.
72.肺塞栓症でも肺門が大きく見える。knucklesignと呼ばれる。
73.心拡大の有無は心胸郭比(CardiothoracicRatio)>50%を用いる.
74.左房の拡大は僧帽弁膜症をしめす.
75.若い女性,大動脈の高度の石灰化では高安病,Aortitissyndromeをうたがう.
76.CTでしかわからない肺癌やそのほかの異常所見がある.雑誌や学会でよく話題になる.しかし,その前に胸部単純写真でちゃんと見えている肺癌,
病変を見落とさず読影することが大切である.
77.胸部単純写真読影上達の道は,一例一例論理的によく考え,それぞれの所見について決断する事である.そして間違いを反省すること,学習す
ることで読影テクニックに磨きがかかる.達人への近道はない.眺めるだけでは少しも上達しない.
78.一般に胸部のポータブル撮影は背臥位前後撮影である.背臥位か立位で撮られた写真かの区別は,胃泡に鏡面像があれば立位で撮られたものとわかる.
79.前後撮影,後前撮影かの区別は,肩甲骨が肺野に大きく重なっているものは前後撮影である.
80.臥位のため心臓は横位になり,加えて,前後撮影による幾何学的拡大により心臓は拡大して見える.横隔膜も立位写真より高い位置にある.
肺の膨らみも立位ほどよくないので,肺血管影も太く目立つ.
81.ポータブル写真の撮られる患者さんは状態の悪い人が多い.ちゃんとした正面で撮影されていないこともよくある.撮影のたびに体位の違っているこ
ともある.また人工呼吸の行われている患者さんでは,呼吸の位相が一定していないこともある.
82.写真の左右正面性は左右の胸鎖関節と棘突起の距離で判定する.
83.上下の正面性は,鎖骨と第4肋骨後部とが重なるぐらいがよい.
84.以上の理由で,ポータブル写真の読影は難しい.ポータブル写真に普通の立位写真に求めるような多くを期待してはいけない.読影で重要なのは
比較読影である.前回の写真とくらべてどうか,という判断に用いるのが重要である.
前回のフィルムと比べるといっても,異なる体位,異なる濃度の写真を想像力で同じ条件の写真として比べることは,訓練なしにはできない.プロの
技術がいる.
85.心拡大の判定には正常心胸郭比を55~57%以下とする.
86.肺血管は見慣れた立位写真より明らかに拡張し目立つ.異常か正常かの判断は数多くの臥位の写真を見て慣れるしかない.同じ患者さんの場
合には,必ず前回と比較して評価しなければならない.
87.肺野濃度が全体に白いときには両側の胸水,肺炎,肺水腫などを疑う.問題なのは撮影条件不良のため写真全体が白いときがあることである.
腋窩の軟部陰影あるいは上腕骨頭などの見え方を比べる.軟部が白く,骨との濃度に差がないならば,写真が線量不足で白いと判定し,その目
で肺野の病変の有無を考えねばならない.
88.悪い写真を以前の写真と比較するには,頭の中で修正して比較するしかない.写真が黒い場合には,肺炎や肺水腫が改善したようにみえるので注意が必要である.
89.気管内挿管,気管切開の患者さんの場合,人工呼吸器,PEEPなのか自発呼吸なのか知っておかねばならない.とくにPEEP患者では肺は機械
的に膨張させられているので,本来濃い陰影を呈する肺炎や肺水腫の陰影がすりガラス陰影や間質性陰影のように見える.
90.生命維持装置の付属物,多数のチューブが写真に重なりうつることがある.腫瘤影と間違えてはならない.
91.皮膚のしわが線状影として見えることがある.気胸と間違えてはならない.迷ったときには患側を上にしてデクビタス撮影を行う.
92.ポータブル写真読影にあたって,第一にはチューブなどの人工物のチェックを行う.これらの異常をみつけるために胸部写真は非常に重要である.
位置,形状のチェック,前回と比較することで重大な医原性事故を未然に防ぐことができる.
93.IVHカテーテルの先端は,内頚静脈あるいは鎖骨下静脈から挿入されたものでは,上大静脈がよい.右の心臓横隔膜角から第1肋骨先端までの上方1/3にあるのがよい.
大腿静脈から挿入されたものは肝静脈合流部直下あたりがよい.
94.気管内チューブは,首の前後屈で約4cm移動する.そのため首の位置が中立位のとき気管分岐部より少なくとも4cm上,68cmがよい.
95.気管内挿管時に皮下気腫,縦隔気腫を発生することがある.
96.先端のバルーンが気管の径以上に膨らんでいると気管損傷の原因になる.
97.気管切開による気管チューブの先端は,気管切開口から気管分岐部の間,上から1/2から2/3のところ,およそ第3頚椎あたりがよい.
98.胸腔内ドレナージチューブの位置は気胸では頭腹側,胸水では背尾側が理想的である.
99.胃管チューブは先端が確実に胃の中になければならない.側孔が食道内にあると逆流性食道炎を来す.
100.Swan-Ganzカテーテルは左右肺動脈本幹か太い葉動脈に置く.肺門から2cm以上外側では肺動脈血栓症や動脈破裂などの危険性がある.
101.心臓ペースメーカーのリード線先端は右心室の心尖部である.断線,本体周囲の膿瘍などのガス像にも注意する.
102.大動脈バルーンパンピングカテーテルの先端は左鎖骨下動脈分岐部直後におく.
103.気胸に気づかないで,気管内挿管,人工呼吸が行われると,緊張性気胸になり致死的な状態になる.ポータブル写真での気胸診断は重要である.
104.胸腔内フリーエアーは背臥位では胸郭前方,なかでも胸郭下部が高いので下肺野の腹側,左では心臓に沿って存在する.そのため,下肺野の
透過性亢進,心臓の辺縁が明瞭に見える,肋骨横隔膜角が深くなるdeepsulcussignを認める.しかし,実際のところ,臥位での気胸診断は難しい.
105.少しでも気胸が疑われる場合には,患側を上にしたデクビタス撮影あるいはCTを施行すべきである.
106.胸水は背側に貯まるため,肺野全体の濃度が低下する.肺炎との鑑別は,胸水では陰影は均一であり,さらに陰影の中に肺炎のようなエアー
ブロンコグラムを認めないことである.
107.左側胸水では心臓に重なる肋骨横隔膜角,下行大動脈輪郭の消失を認める.胸水と左下葉無気肺との鑑別は難しい.
108.観察できる限りの腹部も観察する習慣をつけておく.消化管穿孔による大量のフリーエアーを見落としてはいけない.消化管壁が腸管内と外の
空気に挟まれて見えてくる(Riglerssign、Radiology 2003:228:706).
109.ポータブル胸部写真の読影では比較読影が最も重要である.胸部写真はひとつの診断補助手段であり,常に臨床所見と対比検討し,総合的な判断が必要である.
We have lots of FogBugz customers who have high-priced Remedy, Rational, or
Mercury products sitting on the shelves after investments of well over
$100,000, because that software isn't good enough to actually use. Then they
buy a couple of thousand dollars worth of FogBugz and that's the product they
really use. The Rational salesperson is laughing at me, because I have $2000
in the bank and he has $100,000. But I have far more customers than he does,
and they're all using my product, and evangelizing it, and spreading it, while
Rational customers either (a) don't use it or (b) use it and can't stand it.
But he's still laughing at me from his 40 foot yacht while I play with rubber
duckies in the bathtub. Like I said, all three methods work fine. But cheaper
prices is like buying advertising and as such is an investment in the future.
-- Joel Spolsky
-- "Camels and Rubber Duckies" ( http://www.joelonsoftware.com/articles/CamelsandRubberDuckies.html )
Consider well the proportions of things. It is better to be a young June-bug
than an old bird of paradise.
-- Mark Twain, "Pudd'nhead Wilson's Calendar"