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浄水場

水道の歴史というと必ずローマ水道が出てくるし、日本の水道といえば、 玉川上水や神田上水を思い浮かべる人は多いだろう。日本でのいわゆる上水道の 始まりは、1887年(明治20年)10月17日に、横浜の外国人居留地で給水されたのが始まりである。

テクノクライマトロジー 4) わが国最初の近代水道 ― 横浜・上水道
... 横浜の水は本当に汚いのだろうか。いつも飲んでいる水は浄水器でろ過していることもあって、 まずいと感じたことはない。そう思って本を繰っていると、ある資料に、「横浜の水は赤道を 越えても腐らないと言われた」という名誉挽回の記述を見つけた。これは、一八八七年にわが 国で初めて完成した横浜の近代水道の水のこと。船乗りたちの間で、横浜の水は赤道を越えて も腐らないし、味も落ちないと久しく言われ、評判だったのだという。ちなみに、水源は相模川と 道志川が合流する津久井郡三井村(現・津久井町)で、ここから野毛山浄水場まで約四四キロにわたって、 イギリスから輸入した鉄管を敷設したという。

近代水道の調査設計を担当したのは、横浜の築港にも尽力したイギリス人ヘンリー・スペンサー・パーマー。 パーマーは香港と広東の水道設計に関わったツワモノで、依頼からわずか三カ月で水質調査や測量などを 入念におこなって、多摩川と相模川それぞれを水源とする調査報告書を書き、さらに水道施設のあり方や 経営に至るまでの計画案をまとめあげた。結局、採用されたのは相模川水源案で、一八九七年には取水口 は道志川の青山に移されることになる。この道志村の森林に涵養された清冽な水が、先の記述に出てきた 「赤道を超えても腐らない水」というわけだ。

しかしやはり、近代水道以前の横浜の水事情はよくなかったようだ。居留地はそもそも埋立地で水質は大変悪く、 飲み水にも事欠く始末で、コレラやチフスといった伝染病が発生することも多かった。そこで一八七一年、 現在の高島町にその名を残す商人・高島嘉右衛門ら有力商人の出資で木樋水道が建設されたが、 安定した水供給には至らなかったのだという。わが国初の近代水道は、日本人というよりも、 居留地に住む外国人たちの切なる願いで建設されたインフラだったのである。

近代化産業遺産群33特集<Lococom特集〓地域コミュニティサイト Lococom(ロココム)
... その後、全国各地で伝染病が流行して多くの死者が発生したことから、衛生面で優れた近代水道の建設が 喫緊の課題として認識されるようになった。また、都市人口の増加による水需要の逼迫や大火の発生も、 近代水道建設の機運を後押しした。

近代水道建設の最大の障壁は、巨額の建設費の調達であった。水道事業の主体については、「政府直轄」、 「公営(市長村営)」、「民営」という3つの選択肢が検討されたが、明治前期には正式な決定がなされず、 旧居留地や大都市で様々な主体によって水道事業の調査や計画が行われたが、何れも実現には至らなかった。 これらの調査等においては、イギリス人の民間技術者であるヘンリー・スペンサー・パーマーや、 東京帝国大学で衛生工学の教鞭を執っていたウィリアム・キニンモンド・バートンらの外国人技術者が指導を行い、 後の近代水道の実現に大きく貢献した。こうした厳しい状況のなか、1887年、横浜で我が国初の近代水道が通水した。 この水道は、神奈川県が事業主体(後に横浜市に移管)となり、パーマーを顧問に招き、国庫補助金を得て建設された。 技術的には、常時給水・有圧送水・濾過浄水という近代水道の要件を満たすものであり、 今日の上水道とほぼ同じシステムを持つ優れたものであった。当時の施設のうち、 城山隧道は今なお現役で使用されており、その他、三井用水取入口、青山取入口と沈殿池は現存して保存されている。

続く1889年には、伝染病と大火の抑制が長年の課題であった函館で、我が国2番目の近代水道が通水した。 この水道の設計・監督は全て日本人技術者の手で行われ、また資金調達も地方債の発行等により函館市が自力で行った。 当時整備された元町中区配水池は現役施設として利用されている。また、 後の拡張事業の一環として1923年に完成した笹流ダム[ささながれだむ]は、我が国初のバットレスダム (水圧を受ける壁面を格子状の扶壁で支える構造のダム)であり、我が国の土木技術史において重要な建造物とされる。

他にも、横浜の水はじめて物語など、 色々と記事が書かれている。首都の東京でも、明治時代に近代水道が整備されたのはよく知られているが、 どれだけ「衛生的」だったのだろう。現在の上水道で決められている基準値は以下のようになっている。

新しい水質基準項目及び基準値(施行日:平成21年4月1日)

近代水道の整備のきっかけとなった感染症に関しては、1と2とで決められている他は すべていわゆる化学物質からの汚染を防ぐための基準であり、時代背景が変わってきたことが うかがえるが、この基準で防げない感染症というのが存在する。従来の処理方法では 対処できなかったため、基準を設けられなかったのだ。最近、その防げない感染症を 取り除くことのできる技術が実用化され、浄水場で下の写真のような モジュールが利用されるようになってきた。

東京の水道 H20版 18ページ 膜濾過

小学校の社会科見学などで浄水場を見学したことのある人の中には、こんなものが 使われているのか、今までのイメージと違うと思う人もいるかもしれない。 従来の浄水場といえば、大きな濾過池がたくさん並んでいる以下のような ものだったから、初めて見る人が多いだろう。

千葉市のみどころ 百選の地 柏井浄水場

でも、人工透析に用いる中空糸モジュールと機能的にも外見的にもあまり変わらない。 ちなみに、日本の透析人口は、以下のような資料からもかなり多いので、 人工透析の機械なら見たことのある人多いだろうから、あれの大きくなった版だと 考えればよい。

糖尿病性腎症による透析患者が8万8000人に増加 2009年02月18日
日本透析医学会が毎年実施している統計調査「わが国の慢性透析療法の現況」によると、 2007年12月31日現在、国内で透析療法を受けている患者数は 27万5119人で、前年度より1万646人増加した。 新たに透析療法を開始した患者(導入患者)の数は3万6,909人だった。

透析療法を受けている患者のうち、透析を始める原因となった疾患(原疾患)が糖尿病性腎症である患者数は、 全体の33.4%にあたる8万7835人(第2位)。第1位は慢性糸球体腎炎の40.4%、第2位は腎硬化症の3.8%。 慢性糸球体腎炎は原疾患の1位ではあるが減少傾向にあり、2007年末では前年より1.8%減少した。 一方、糖尿病性腎症は着実に増えており、2007年末は前年より1.1%増加した。

2007年の透析導入患者数は3万6,909人。原疾患の第1位は糖尿病性腎症で1万5750人(43.4%、 前年より0.5%増)だった。第2位が慢性糸球体腎炎で8721人(24.0%)。腎硬化症は3631人 (10.0%)だった。糖尿病性腎症と腎硬化症の割合が増加する傾向が続いており、 慢性糸球体腎炎の割合は減少している。 糖尿病性腎症による末期腎不全は、1998年に慢性糸球体腎炎と入れ替わって透析導入の原疾患の第1位になった。 それ以来、糖尿病性腎症は一貫して増え続け、2007年には43.4%と半数近くを占めるようになった。 一方で、慢性糸球体腎炎による導入患者数は年々減少し、2007年では 24.0%となり、 統計調査開始から最低の割合になった。

そういえば、糖尿病末期の予後は膵癌よりも悪いことがあるので、くれぐれも糖尿病には 注意しましょう。さて、本題に戻って、濾過の話だが、大量の浄水に使える優秀な膜を開発できる のはやはり、東レしかない。

2007年7月20日
汚れに強いPVDF製新規中空糸UF(限外ろ過)膜モジュールを開発
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原定征)はこのたび、高度な製膜技術とナノテクの融合により、 当社従来比約1/2のろ過圧力で運転可能なPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製中空糸UF(限外ろ過)膜モジュールを開発しました。 これにより汚れた原水に対して凝集剤や洗浄用薬品の使用量を大幅に削減することが可能となり、 エネルギーやランニングコストを低減させることが出来ます。 これまでに開発した2種類のPVDF製中空糸MF(精密ろ過)膜モジュールと併せて、今後、 東レはPVDF製中空糸膜モジュールを、飲料水製造、産業用水製造、さらには海水淡水化前処理、 下水再利用の前処理用途などの幅広い用途に展開1)していきます。

でも、これで終わってしまってはただの宣伝になってしまってつまらないし、緩速濾過の 話題をあげておきたいと思う。

先にあげた「東京の水道 H20版 膜濾過」は砧浄水場のものだが、もともとあの浄水場は 緩速濾過の浄水場だった。浄水場といえども、様々な企業のビジネスがかかわってくる所であり、 緩速濾過はもうからない方式だったために、管理する人、研究する人が少なく、その利点が あまりかえりみられることなく、企業に言われるがままに高コストの方式に変わってきてしまったと 主張する人がいる。 概してこのような意見は世間に知られることが少ないので残念かもしれない。

緩速濾過の参考文献

http://www.page.sannet.ne.jp/myanagi/より。 緩速濾過の研究はほとんどされていないようだ。

東京都砧浄水場の緩速ろ過施設の見学記

Ross: I'm just sayin' if dogs do experience jet lag, then, because of the
whole um, seven dog years to one human year thing, then, when a dog flies from
New York to Los Angeles, he doesn't just lose three hours, he loses like a
week and a half.

    -- David Crane & Marta Kauffman
    -- "Friends" (T.V. Show) ( http://en.wikipedia.org/wiki/Friends )

束had been responsible for the 'production and distribution of more than 90
percent of the high-quality counterfeit Microsoft software products.損

Why doesn't MSFT sell these "high-quality" products instead of the crap
they've been selling us for years.

    -- boguslinks
    -- Slashdot Comment ( http://yro.slashdot.org/comments.pl?sid=442082&cid=22303924 )


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