1990年発売、当時の価格で¥180,000のCDプレーヤである。以前取り上げたCDP-X555ESの2倍程度の価格である。
IC507(NJM5532)でI/V変換を行い、平衡出力はオペアンプによるLPFを通る。 ライン出力は、GICフィルタ(NJM5532)を一段通ってから、カスコード付き2SK389の初段、差動2段目を通って2SK213/2SJ76によるバッファに至る。 ライン出力だけでここまでのディスクリート回路を使う必要性はよくわからないが、回路図を見ないと、どの出力に手が込んでいるか分からず、 例えば、平衡出力を使った時に何となく音が悪いと思ってしまうことがあるかもしれない。回路図は載せていないが、 ヘッドホン出力はさらにNJM5532のボルテージフォロワの後、 NJM5532/2SC4431/2SA1684のバッファによる出力となっており、ヘッドホンで聞いても一枚被った、満足できない結果となるかもしれない。 ここまで高価でも、すべての出力に最大のコストをかけるというのは難しいということだろうか。 ちなみに、うたい文句は下記である。 「アナログローパスフィルターにはコンデンサーやコイルなどのパッシブ素子が直列に入らないGIC形ローパスフィルターを採用しています。 さらにCDP-X777ESではローノイズFETを用いたディスクリート構成のラインアンプを搭載しており、 FET入力・差動2段の入力段とAクラス動作の出力段で構成しています。 そして、FETならではのハイインピーダンス入力特性によって前段ローパスフィルターのノイズ成分との完全な分離が可能としています。」 調べてみると、2SK213/2SJ76のバッファは、バイアスが2V、-2Vとなっていて、Aクラス動作である。それなりに発熱がありそうだ。 コンプリメンタリといってもグラフ上は傾きにそれなりに差があり、負帰還でどうにかするのが前提なのだろう。
差動増幅回路による定電圧電源回路で、吐き出しはインバーテッドダーリントン、吸い込みはMOSFETによる、バッファが少し珍しい回路である。 差動増幅回路は、別途三端子レギューレータで用意した18Vで、カレントミラー、カスコードまで入っている。 出力段は、正電源は2SC2878+2SA1684/2SJ76、負電源は2SA1083+2SD1944/2SK213を使用し、上下対称という感じではない。 吸い込み電流にも対応する電源回路はあまり見ないが、音質上の理由で採用したのだろう。インバーテッドダーリントンは容量負荷に弱いことがあるようだが、 後段のコンデンサは1μF+1000μFとなっている。 差動増幅回路の電源を自分自身の出力からとると、 低域までPSRRが伸びるようだが、別途用意するのも一案なのだろう。 なぜ吸い込み電流側はMOSFETを使用したのだろうか。当時の開発者に聞かないとわからない。
オペアンプによる一般的な電源回路で、5Vを生成する。出力毎に用意されており、 POL (Point of Load)と言えるだろう。 ここまでやれば音質も十分かもしれない。もう少し回路を工夫して、オペアンプの電源を出力側からとったり、 基準電圧をもっとノイズの少ない方法にすればもっと良くなるだろう。 インダクタで、1次アナログ電源側にノイズが回らないように注意している点が興味深い。
デジタル回路の方はアナログ回路よりは手が込んでいなくて、オペアンプによる電源回路である。 この機器での電源回路は、デジタルはオペアンプ電源、アナログは比較的負帰還の少ないタイプの電源、 DACはパルスを出力するが、ノイズが直接音質に影響するので、アナログ電源からさらにオペアンプで生成した電源を使用するというところか。 まとめると、デジタルはオペアンプ電源、アナログはディスクリート電源、DACはアナログ+デジタルなので両方と使うという思想ともいえる。
Rule of Open-Source Programming #7:
Release early, release often. Clean compilation is optional.
-- Omer Zak
-- "Rules of Open Source Programming"
Q: What do you call a WASP who doesn't work for his father, isn't a
lawyer, and believes in social causes?
A: A failure.