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SSCG 2008

Surviving Sepsis Campaign: International guidelines for management of severe sepsis and septic shock: 2008. Crit Care Med. 2008;36:296-327.

INTENSIVIST VOL.1 NO.2 2009-4より抜粋

旧版2004

SSCG は実際の臨床に即した治療の優先順位にそって記述されている。 よって,SSCG の記述どおりに治療を進めていくことで,効率的に科学に基づいたsepsis 診療が可能となる。

sepsis の定義/診断基準/重症度分類→[初期蘇生 感染症対策 血行動態管理] (初期蘇生(early goal-directed therapy)→早期の抗菌薬治療/感染源コントロール→輸液療法 →血管収縮薬/強心薬投与)→[その他の支持療法](相対的副腎不全に対するステロイド補充療法→輸血/血液製剤投与→人工呼吸療法 →厳格な血糖管理→腎代替療法(CHDF)→ストレス潰瘍の予防)

GRADE system について

推奨度 1 強い推奨度
転帰や負担,コストなどにおいて利益が不利益を明らかに上回っており,多くの臨床現場で採用されているもの (投票制)構成委員の投票が70%以上
推奨度 2 弱い推奨度
利益が不利益を上回ることは予想されるが十分な根拠に乏しいもの(投票制)構成委員の投票が70%未満
エビデンスレベル A
無作為化比較試験
エビデンスレベル B
質の低い無作為化比較試験,もしくは質の高い観察研究
エビデンスレベル C
十分に検討された観察研究
エビデンスレベル D
症例報告もしくは専門家の意見

主な推奨項目

●は推奨度1,○は推奨度2

I.重症敗血症の管理

A.初期蘇生(最初の6 時間以内に行うこと)
●低血圧もしくは血清乳酸値>4 mmol/L の患者については,すみやかに治療を開始する(ICU 入室まで治療を遅らせてはならない)(1C)
●以下の指標を蘇生のゴールとする(1C)
 中心静脈圧8〜12 mmHg
 平均動脈圧≧65 mmHg
 尿量≧0.5 mL/kg/hr
 中心静脈血(上大静脈血)酸素飽和度≧70% もしくは 混合静脈血酸素飽和度≧65%
○静脈血酸素飽和度が70%に到達しない場合には以下の処置を行う(2C)
 さらに輸液負荷を行う
 ヘマトクリット≧30%になるように赤血球輸血を行うか,ドブタミンの投与を開始する(最大20μg/kg/min まで)
B.診 断
●抗菌薬投与前に適切な培養検体を採取すべきであるが,これによって抗菌薬投与が遅れてはならない(1C)
 2 セット以上の血液培養を採取する
 1 セット以上の血液培養は経皮的に採取する
 カテーテル感染が疑わしければ,1 セットの血液培養は48 時間以上留置された血管内カテーテルより採取してもかまわない
 他の部位の感染が疑わしければ,その部位からの培養検体を採取する
●感染源と思われる部位の画像診断と検体採取を積極的に行う(1C)
C.抗菌薬治療
● septic shock(1B)やsevere sepsis(1D)認知後,できるだけ早期に,可能ならば1 時間以内に抗菌薬の経静脈的投与を行う
●予想される細菌もしくは真菌などの起炎菌に対し,感染が疑われる臓器へ移行性のよい幅広いスペクトラムの薬物を1 剤以上投与する(1B)
●有効性を最適化し,耐性菌の出現を最小限に抑え,毒性の発現を避け,経費を最小限に抑えるために,毎日抗菌薬の投与計画を見直す(1C)
○緑膿菌感染症を考慮した併用療法を行う(2D)
○好中球減少の患者では経験的な併用療法を行う(2D)
●抗菌薬の投与期間は7〜10 日間に留める しかし効果の乏しい場合やドレナージ不能な感染巣がある場合, 免疫能の低下した患者では,それ以上の投与も考慮する(1D)
●臨床症状の原因が感染症でないと判明した場合には抗菌薬治療を中止する(1D)
D.感染巣の認識とコントロール
●感染巣のコントロールが緊急的に必要であるか否かは,可能なかぎりすみやかに(1C),できれば感染症発現後6 時間以内に(1D)判断する
●膿瘍のドレナージや壊死組織のデブリドマンなど,感染巣のコントロールにより改善しうる感染源を明らかにする(1C)
●初期蘇生が成功した後に可能なかぎりすみやかに感染巣のコントロールを行う(1C)
 感染性膵壊死の場合には,組織壊死の範囲が判明するまで外科的治療を待機する(2B)
●感染巣のコントロールの方法は,効果が最大で生体侵襲が最小になるようにする(1D)
●感染が疑われる血管内カテーテルは抜去する(1C)
E.輸液療法
●輸液負荷は,晶質液か膠質液のどちらかを用いる(1B)
● 中心静脈圧の目標を8 mmHg 以上( 人工呼吸管理中は12mmHg 以上)とする(1C)
●血行動態の改善を試みている間は,輸液負荷を継続する(1D)
●輸液負荷を行う場合には,晶質液1000 mL あるいは膠質液500mL を30 分で投与する(1D)
 sepsis に起因する組織低灌流が存在する場合には,さらに急速,大量の投与も必要かもしれない(1D)
●血行動態の改善なしに心充満圧が上昇する場合には,輸液速度を弱めるべきである(1D)
F.血管収縮薬
●平均動脈圧を65 mmHg 以上に維持する (1C)
○ septic shock において,アドレナリン,フェニレフリン,バゾプレッシンを最初の血管収縮薬として投与すべきではない(2C)
 ─ バゾプレッシン0.03 単位/min の投与は,ノルアドレナリン単独と同等の効果が期待できるとして併用してもよいかもしれない
○ノルアドレナリンまたはドパミンの血圧に対する効果が不十分な場合には,アドレナリンを最初の代用薬として使用する(2B)
●腎保護目的で低用量ドパミンは使用してはならない(1A)
●血管収縮薬を必要とする患者には,すみやかに動脈圧ラインを挿入する(1D)
G.強心薬
●低心機能患者には,心充満圧の上昇や心拍出量の低下を補助する目的でドブタミンを用いる(1C)
●正常以上に心拍出量を上げてはいけない(1B)
H.ステロイド
○適切な輸液管理と血管収縮薬投与にもかかわらず低血圧が遷延する成人のseptic shock では,ヒドロコルチゾンの静脈内投与を考慮する(2C)
○成人のseptic shock の患者において,ヒドロコルチゾンを投与すべきか否かを判断するためのACTH 刺激試験は推奨されない(2B)
○デキサメタゾンよりヒドロコルチゾンのほうが望ましい (2B)
○ヒドロコルチゾンの代用で鉱質コルチコイド活性のないステロイドが投与されている場合には,フルドロコルチゾン(50μg/日)の併用を考慮する
 ヒドロコルチゾンが投与されている場合には,フルドロコルチゾンは投与してもしなくてもよい(2C)
○血管収縮薬が不必要になれば,ステロイド治療は減量してもよい(2D)
●ヒドロコルチゾンの投与量は300 mg/日以下とすべきである(1A)
●内分泌疾患の既往やステロイドの使用歴がなければ,ショックを呈していないsepsis 患者にステロイドを用いてはならない(1D)
I.活性化プロテインC
○禁忌でなければ,sepsis に起因する臓器障害を呈しており,臨床上致死率が高い(APACH II≧25 または多臓器不全を有する) と考えられる成人症例には,活性化プロテインC の投与を考慮する(2B,術後症例は2C)
● severe sepsis で致死率が低いと考えられる成人症例には活性型プロテインC を投与すべきではない (1A)
J.血液製剤の投与
●ヘモグロビン濃度が7 g/dL 未満の患者では,7〜9 g/dL を目標に赤血球輸血を行う(1B)
 ─ ただし心筋虚血,高度な低酸素,急性出血,チアノーゼ性心疾患,乳酸アシドーシスでは,より高いヘモグロビン濃度が必要になるかもしれない
● sepsis 関連の貧血に対し,エリスロポエチンを投与してはならない(1B)
○明らかな出血や侵襲的な処置を行う場合を除き,凝固検査異常を是正する目的で新鮮凍結血漿を投与してはならない(2D)
● sepsis 診療において,アンチトロンビン製剤を用いてはならない(1B)

II.severe sepsis に対する支持療法

A.sepsis 由来のALI/ARDS に対する人工呼吸管理
● ALI/ARDS において,1 回換気量は6 mL/kg(予測体重)を目標とする (1B)
●プラトー圧は30 cmH2O 以下を目標とする (1C)
●プラトー圧や1 回換気量を最小限に抑えるためであれば,高二酸化炭素血症を容認する (1C)
○肺障害をきたすと思われる高いFIO2 やプラトー圧を必要とする患者では,危険のない範囲で腹臥位療法を考慮する(2C)
○人工呼吸管理中の患者は,半坐位にする。頭位を30〜45 度挙上する(2C)
○軽度もしくは中等度の低酸素血症を伴うALI/ARDS の患者では,非侵襲的マスク換気(NIV)による呼吸管理を考慮してもよい  (循環動態が安定している,気道が確保されている,喀痰が自己喀出できる場合など)(2B)
●人工呼吸器からの離脱の可能性を検討する場合には,自発呼吸トライアル(SBT)のプロトコールを用いる(1A)
● ALI/ARDS の患者のルーチンのモニタリング目的で肺動脈カテーテルを挿入してはならない(1A)
●組織低灌流が明らかではないALI の患者には,通常の輸液管理を行う(過剰な輸液を避ける)(1C)
B.sepsis における鎮静薬,鎮痛薬,筋弛緩薬
●人工呼吸管理中のsevere sepsis 患者では,鎮静薬は標準化された鎮静スケールを用いて効果を評価しながら用いる(1B)
●鎮静薬の投与は,日内で覚醒・鎮静のリズムがつくように,鎮静のスケールに基づき,間欠的静注もしくは持続点滴のどちらかの方法で投与する(1B)
●筋弛緩薬の投与は可能なかぎり避ける。もし持続で用いる場合には,4 連反応比(TOF)などを用いて,筋弛緩の程度を評価する(1B)
C.血糖コントロール
● severe sepsis の患者において,ICU にて全身状態が安定した後はインスリンの静注を用いて高血糖を管理する(1B)
○血糖値は,インスリンの投与量調節のプロトコールを用いて,150 mg/dL 未満に管理する(2C)
●インスリンの静脈内投与を受けている患者は,ブドウ糖の投与下に,1〜2 時間ごと(安定すれば4 時間ごと)に血糖値を測定する(1C)
D.腎代替療法
○間欠的血液透析と持続的血液濾過透析(CVVH=CHDF)の効果には差がないと考える(2B)
○血行動態が不安定な患者では,持続的血液濾過透析(CVVH=CHDF)を推奨する(2D)
E.重炭酸療法
●乳酸アシドーシスを伴う組織低灌流の治療中は,pH 7.15 以上であれば循環動態の改善や血管収縮薬の軽減目的で重炭酸療法を用いてはいけない(1B)
F.深部静脈血栓症の予防
●禁忌でなければ,未分画ヘパリンもしくは低分子ヘパリンを投与する (1A)
●ヘパリンが禁忌である症例では,圧迫ストッキングもしくは間欠的空気圧迫装置のような機械的な予防装置を用いる(1A)
○深部静脈血栓症の高リスク患者では,へパリンなどの抗凝固薬と機械による,両方の予防措置をとる(2C)
○高リスク患者では,未分画ヘパリンより,低分子ヘパリンが望ましい(2C)
G.ストレス潰瘍の予防
●ストレス潰瘍の予防目的に,H2 拮抗薬(1A)もしくはプロトンポンプ阻害薬(1B)を投与する
 ただし,ストレス潰瘍の予防の利益と人工呼吸器関連肺炎の進展の可能性を比較検討しなければならない
H.治療限界の考慮
●患者および家族と今後の治療計画について議論する(1D)

Bundle の一例

Resuscitation Bundle

severe sepsis と診断して6 時間以内に以下のすべての項目を行うこと)

Management Bundle

severe sepsis・septic shock の患者では以下に従いすみやかに治療を行う

参考:ショックと循環管理

What they really mean is, don't get demoralized. Don't think that you can't do
what other people can. And I agree you shouldn't underestimate your potential.
People who've done great things tend to seem as if they were a race apart. And
most biographies only exaggerate this illusion, partly due to the worshipful
attitude biographers inevitably sink into, and partly because, knowing how the
story ends, they can't help streamlining the plot till it seems like the
subject's life was a matter of destiny, the mere unfolding of some innate
genius. In fact I suspect if you had the sixteen year old Shakespeare or
Einstein in school with you, they'd seem impressive, but not totally unlike
your other friends.

Paul Graham
"What You'll Wish You'd Known" - http://www.paulgraham.com/hs.html

    -- Paul Graham
    -- "What You'll Wish You'd Known" ( http://www.paulgraham.com/hs.html )

The X in XSLT stands for eXtermination.

    -- Shlomi Fish
    -- XSLT Facts by Shlomi Fish and Friends ( http://www.shlomifish.org/humour/bits/facts/XSLT/ )


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